
ステレオPIVソフト Flow Expert2D3Cの特長
レーザーシートで可視化された2次元断面上を2台のカメラで同期撮影した画像を画像解析することで速度3成分を抽出できます。2成分評価では正確な流れの評価が難しかった現象に対し、奥行方向の評価が加えられることで高精度な解析が可能になります。Wパルスの光源を使用するものから高速度カメラを2台使用した時系列PIVにも対応しております。
ステレオPIVによる円柱後方のカルマン渦評価
ステレオPIV 撮影設置から解析までタイムトライアル【流れの可視化とPIV】
ステレオPIVソフト Flow Expert2D3C解析結果(算出できる項目)
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- 瞬時速度ベクトル
- ステレオ撮影により、2次元3成分での瞬時速度ベクトルが算出が出来ます。また3D表示で様々な視点から瞬時速度ベクトルの確認が行えます。瞬時速度分布から空間微分量(渦度、速度勾配)の算出などポスト処理が可能です。
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- ミスアライメント補正
- 解析誤差の一つとして校正面と可視化断面の不一致(ズレ)があります。高精度な撮影配置が困難な際、手軽に相対段差補正が行えます。校正面とシート面の3次元配置を算出、作成された校正関数からズレを補正します。
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- 渦度
- 平面内における単位面積あたりの渦の量を表しており、ベクトルの回転を示しています。カラーコンターにて、正は反時計回り(赤)、負は時計回り(青)で表示。空間的な渦構造の把握を実験的に計測できます。
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- 平均速度ベクトル
- 瞬時速度ベクトルを平均し統計的なベクトルを算出することが出来ます。また一つの解析データを時間平均として算出することもでき、ハードウエアや計測環境による外乱を平滑化ベクトルとして修正することも可能です。
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- 乱流エネルギー
- 単位質量あたりの乱流運動の有するエネルギーの時間平均値となり、壁面の抵抗、乱流への遷移の原因など、流れ場全体の層流安定性を乱流エネルギーから評価することが出来ます。エネルギー損失を測る指標になります。
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- レイノルズ応力
- 乱流の微小擾乱による応力、乱れによって平均的に増す摩擦応力のことを言います。レイノルズ応力の低減から流体摩擦の低減を評価することが出来、壁面からの熱や物質輸送の効果を評価することも可能です。
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- 時系列PIVグラフ解析
- 横軸へ時間(フレーム)、縦軸へ速度や渦度などの物理量項目を指定し、時系列の物理量変動をグラフ化できます。統計値として計測される平均ベクトルとは対照的に、瞬時における物理量変動を確認することが可能となります。
ステレオPIVソフト Flow Expert2D3C解析事例「ルアー後方の渦流体」
提供画像
東京電機大学 工学部 機械工学科 高橋直也 先生
東京電機大学 工学部 機械工学科 高橋直也 先生
実験条件
ルアー種類:ミノー型
水路:回流水槽
流速:0.4mm/sec(±0.5m)
動粘性係数:0.937×10^-6(m^2/s)
レイノルズ数:Re=1.7×10^4
ルアー種類:ミノー型
水路:回流水槽
流速:0.4mm/sec(±0.5m)
動粘性係数:0.937×10^-6(m^2/s)
レイノルズ数:Re=1.7×10^4
ステレオPIVソフト Flow Expert2D3C仕様
測定項目 | 2次元2成分PIV、2次元2成分PTV、2次元3成分PIV | |
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計算方式※ | PIV | 直接相互相関法、再帰的相関法、反復画像変形法(Window deformation iterative multigrid:WIDIM)、アンサンブル相関法、Correlation-Based Correction |
PTV | 2値化相関法 | |
キャリブレーション | 画像距離指定、2次射影変換、校正版使用 | |
ベクトル項目 | XYZ合成、X、Y、Z、相関係数、平均 | |
解析項目 | 流線、流脈線、流跡線、渦度、速度勾配テンソル、乱流エネルギー、レイノルズ応力、速度標準偏差 | |
計測点CSV出力 | 速度(X、Y、Z、XYZ合成)、渦度、速度勾配テンソル、乱流エネルギー、レイノルズ応力 | |
グラフ表示 | 指定ポイント、ライン、エリア(移動距離、速度) | |
画像処理機能 | 各種フィルター、画像演算、画像間演算、輝度補正、凸部検出 | |
誤ベクトル修正 | 8近傍平均値閾値削除、8近傍中央値閾値削除、輝度標準偏差削除、平均輝度値閾値削除、相関係数閾値削除 | |
対応画像フォーマット | AVI、WMV、JPG、BMP、TIFF、PNG連番 | |
データフォーマット | プロジェクト形式、CSV形式 | |
対応OS | Windows 10 / 8.1 (64/32BitOS ※64Bit推奨) 日本語版/英語版 | |
※・・・マルチスレッド処理(SSE3)により高速演算が可能となりました。 |
Ver.1.3.0
更新内容:
- 32Bit/64Bitの2種類あるインストーラーを統一
- 「全画像変形法」から「反復画像変形法:WIDIM」に名称を変更
- 反復画像変形法実行時の画像変形アルゴリズムにB-Splineを追加
- ベクトルCSVの速度項目の単位の表記を修正
- 対応するAVI形式を追加
- スクリーンキャプチャ保存の不具合の修正
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