ハイスピードカメラとは?
通常のビデオカメラは、1秒あたり約30~60枚の画像を撮影すること(fps)が一般的です。
明確な定義はありませんが1秒間に数百・数千・数万枚の画像を高速撮影できるものをハイスピードカメラと呼びます。
従来はフィルムを機械式に高速回転させることにより撮影する「フィルム式ハイスピードカメラ」が多くの実験系に採用されてきました。
その後、21世紀に入ると半導体デジタルカメラがフィルム式に取って代わり、現在は「ハイスピードカメラ」と呼ばれることが一般的になっています。
中には「スローモーションカメラ」「スーパースローカメラ」「高速度カメラ」等、さまざまな呼称をされることがありますが、実際にはそれらに違いはなく全て同じ意味です。
人間の目では捉えきれない高速現象を克明に可視化し、解析ソフトウェアを組み合わせることでさまざまな物理現象を数値化できます。
ハイスピードカメラは研究開発・生産分野の発展には欠かせないアイテムです。
【スーパースロー映像】ハイスピードカメラk6 液滴落下
ハイスピードカメラ製品ラインナップ目次
- 流体
- 目視では見えにくい高速流体の情報を高分解能で撮影、空気抵抗の評価など。

- スポーツ
- 人間工学に基づく高精細な動作を確認し、フォームの改善に。

- 溶接
- 溶接工程を可視化し良・不良判定による歩留まり改善と品質向上に。

- 半導体
- ワイヤーボンディング、スピンコートなど挙動の観察に。

- 生産技術
- 現場における不具合発生のプロセスを正確に把握して原因の究明に。

- 医療・バイオ
- 手術など緻密な動きの再現性を確認、最先端医療技術の向上に。

*こちらで現象に応じたハイスピードカメラの選び方を紹介しています ハイスピードカメラの選び方
ハイスピードカメラ「kシリーズ」ラインナップ

高解像度フラッグシップハイスピードカメラ「k9」
解像度 1,920×1,080pixel時 2,000コマ/秒で撮影
高精細・高速度撮影
最高撮影速度 100,000fps
「デジタル画像相関法DIC」や「運動解析」の高空間分解能・高周波解析用
気体・液体の「PIV」による高精度な流体解析用
「デジタル画像相関法DIC」や「運動解析」の高空間分解能・高周波解析用
気体・液体の「PIV」による高精度な流体解析用


高精細・高速度・低コストハイスピードカメラ「k6」
解像度 1,280×1,028pixel時 2,000コマ/秒で撮影
HD 2,000fpsの高速度撮影
高感度センサーによりS/N比に優れた高品質画像を実現
USB3.0接続によりノートPCでの運用が可能
高速インターフェースで遅延のないライブ映像確認が可能
USB3.0接続によりノートPCでの運用が可能
高速インターフェースで遅延のないライブ映像確認が可能

"超高感度"ハイスピードカメラ「k5」
解像度 640×480pixel時 8,000コマ/秒で撮影
超高感度モデル
高速撮影と高感度を両立したモデル
"超高感度"を実現しており「PIV」の撮影用カメラとしても適切
高速度現象の拡大撮影に最適
"超高感度"を実現しており「PIV」の撮影用カメラとしても適切
高速度現象の拡大撮影に最適


小型高解像撮影ハイスピードカメラ
解像度 2,592×2,048pixel時 100コマ/秒で撮影
2.5K (QSXGA) 高解像度撮影
VGA(640×480)1,000fpsで高速撮影が可能
小型軽量(重さ210g)手のひらサイズ筐体
広範囲な流体解析・動作解析に最適
小型軽量(重さ210g)手のひらサイズ筐体
広範囲な流体解析・動作解析に最適
ハイスピードカメラ用コントロールソフト 「k-Software」 *kシリーズ共通
- k-Software操作画面

撮影・保存はもちろん、画像処理・簡易解析機能が充実
初心者でも扱いやすい、直感的なレイアウトで操作が簡単。
簡易的なスケール測定や速度計測ができるため、解析に適した画像か?良否判定ができます。
簡単フォーカス判定やハレーション判定などオペレート機能も付帯。
簡易的なスケール測定や速度計測ができるため、解析に適した画像か?良否判定ができます。
簡単フォーカス判定やハレーション判定などオペレート機能も付帯。
充実した撮影補助機能
対象物が正しく撮影できているかの指標を撮影する前に確認することができます。
*本ソフトウェアは「kシリーズ」に標準で付属しています
- 飽和表示機能
- 明るすぎて飽和してしまった画素を赤色で表示させ、ユーザーにハレーション(白飛び)がある場所を知らせます。
◇LEDライトの例

LEDライトを撮影した実写画像

光源の発光部が飽和して 赤く表示されます

粒子の実写画像 粒子象が飽和して赤く表示されます
8bitモノクロ画像における各ピクセルの輝度値は整数0~255(黒~白)の256段階となっています。
PIVの粒子像撮影においては粒子の輝度が飽和してしまうと、輝度変動情報が不足して「ピークロッキング」が発生し、計測誤差の要因となる場合があります。
PIVの粒子像撮影においては粒子の輝度が飽和してしまうと、輝度変動情報が不足して「ピークロッキング」が発生し、計測誤差の要因となる場合があります。
「ピークロッキング」についてこちらで詳しく解説しています >PIVとは
- ピント合わせ機能
-
エッジを検出し、検出された部分が赤色で表示されてピント合わせの目安に使用できます。
検出強度は3段階から選択可能です。
◇LEDライトの例

対象のピントが合っていない場合、画面内に何も表示されません

ピントが合っている(エッジ検出がされている)場合 輪郭部が赤く表示されます
◇PIV粒子画像の例

ピントが合っていない場合は 粒子の輪郭が赤く表示されません

ピントが合っている場合は粒子の輪郭が赤く表示されます
輝度不足、低解像度での撮影では、現在の画像はピントが合っているか?いないか?の判定は非常に難しくなります。
ピントの判定をソフト側がアシストして目視による誤差を避け、撮影準備をサポートします。
ピントの判定をソフト側がアシストして目視による誤差を避け、撮影準備をサポートします。
- 簡易計測機能
- 撮影した記録データからすぐに簡易的な計測を行え、撮影データの詳細を確認することができます。
計測項目
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2点間の距離と2直線の角度を表示(静止画)

ポイント速度と加速度を表示(動画)
PIVや動作解析ではトレーサーやマーカーの移動を捉えるために、撮影速度(fps)を指定範囲内に収めて最適化する必要があります。
「k-Software」の簡易計測機能では、撮影画像を保存する前に計測を行ってPIVや動作解析に最適な撮影速度を確認できます。
「k-Software」の簡易計測機能では、撮影画像を保存する前に計測を行ってPIVや動作解析に最適な撮影速度を確認できます。
- モーショントリガー機能
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画像上で範囲を指定し、範囲内の平均輝度が指定閾値以上になったときトリガーが入力され撮影することができます。
外部機器と同期することなく、指定範囲内で顕著な輝度変化があったときに録画を開始することができます。

ライン工程

範囲指定した所で輝度変化があり 撮影開始
ライン作業NG判定用ランプにモーショントリガー機能の範囲指定をすれば、NG時の時だけ撮影ができて原因究明にも役立てることができます。
ハイスピードカメラ 「Phantomシリーズ」ラインナップ


超高速度撮影フラッグシップハイスピードカメラ
解像度 1,280×800pixel(WXGA)時
76,000コマ/秒で撮影
最高撮影速度 1,750,000fps
業界初、裏面照射型センサーを採用
超高感度ISO 125000T(モノクロ)
驚異の最短露光時間 95 ナノ秒
衝撃波撮影やジェットノズル等の超高速撮影に最適
業界初、裏面照射型センサーを採用
超高感度ISO 125000T(モノクロ)
驚異の最短露光時間 95 ナノ秒
衝撃波撮影やジェットノズル等の超高速撮影に最適


超高画質・高感度・高速度ハイスピードカメラ
解像度 1,280×960pixel (Quad-VGA)時
1,0860コマ/秒で撮影
CDS機能を搭載した最新のCMOS センサーを開発
世界最高レベルの低ノイズ、高ハイダイナミックレンジを実現
2GBのデータを約6 秒でPC に保存 超高速の10Gbイーサネットを標準装備
ハードウェアビニングによりISO感度125,000モノクロまで向上
640×480pixel撮影で40,300fpsまで撮影能力を高めることが可能
世界最高レベルの低ノイズ、高ハイダイナミックレンジを実現
2GBのデータを約6 秒でPC に保存 超高速の10Gbイーサネットを標準装備
ハードウェアビニングによりISO感度125,000モノクロまで向上
640×480pixel撮影で40,300fpsまで撮影能力を高めることが可能
空気砲による渦輪形成時のPIV評価
空気砲で渦輪を作り出し、レーザーシート光源で可視化
ハイスピードカメラで撮影した渦輪の流れをPIV解析しています
ハイスピードカメラで撮影した渦輪の流れをPIV解析しています
- 使用機材