雪氷風洞におけるPIV計測評価

積雪寒冷地において吹雪対策設備の性能は、安全確保の上では非常に重要になります。
流体可視化計測については気流環境の評価が一般的ですが、雪をトレーサー粒子として計測を行うことで風速ではなく雪そのものの流速を評価することができます。
防雪柵、防雪林、スノーシェルターなど吹雪対策設備の評価は、機能性・安全性・耐久性だけでなく製造コストや自然環境に対しての保全や景観維持など様々な観点から評価検討されております。
カトウ光研では可視化計測により、シミュレーションではなく実際の環境に近似する防風雪機能評価を風洞試験装置にて実験検証するお手伝いをさせて頂いております。
トレーサーの選定から風洞装置のご相談までPIVにまつわる可視化から計測まで一通りのご案内を承りますので、お気軽にご相談ください。
雪氷風洞内で自然雪を用いたPIV計測
撮影協力:北海道科学大学 寒地未来生活環境研究所 千葉 隆弘 先生
PIV・PTV解析をした事例です


模擬雪ではなく実際の雪をトレーサー粒子として流体解析を行っています。
寒冷地の構造物については部材表面に対して着雪した際、落氷雪が原因の事故が起きることがあります。
低温室に設置された風洞装置に実際の自然雪をトレーサーとして散布する機構を持たせることで、降雪風洞として実環境に極めて近い再現性で流体解析が行えます。
乾いた雪と湿った雪で挙動がどのように変化するか?など様々な条件を検証できます。
PIV解析では気流や吹雪による部材の表面性状と着雪量との関係を検証することが可能になります。
また雪粒子の転動、跳躍、浮遊の3挙動をPTV(Particle Tracking Velocimetry:粒子追跡法)で解析することで、地吹雪のメカニズムを詳細に分析できます。
雪の大きさにより追尾データを分けることもできますので、発生する雪の状況により構造体にどのような影響を与えるか検証可能です。
PIVによる防雪柵の機能性を評価
撮影協力:理研興業株式会社 様
吹雪を流体解析で定量化することで柵の有効性がわかります。

積雪寒冷地では様々な吹雪対策が行われております。
防雪柵については単純に雪を積もらせないようにするだけでなく、横風を抑え、また走行中の車の視界を良好な状態に維持することなども求められます。
雪氷風洞実験では吹きだまり検証を行うにあたり、実際の雪に安息角と浮遊挙動が近い活性白土を模型雪として用いられることが多く、PIVでトレーサーとして使用した実績も多数あります。
自然な吹雪と相似な現象を雪氷風洞実験で再現することにより、地吹雪発生のメカニズムを解析できるものとなります。
スモーク粒子と比較すると高速度撮影するにあたり固体粒子は輝度を得やすいため、光源の明るさやカメラ感度の要求仕様が抑えられます。
サンプル動画では防雪柵の上端部分の構造により従来設計の防雪柵よりも巻き込みを抑えており、柵を超えた風が底面との距離を保ったまま画面右に到達しています。
拡大した画角での解析では剥離発生を特殊な設計によりコントロールし、従来品よりも雪の巻き込みを抑えた流動とすることで視程障害を抑えた機能性を有していることが確認されます。
PIVでは非接触の多点同期計測を行えますので、流動分布を流速計よりも手軽にエリアで検証でき、設計を変えた際に従来品との性能評価が容易に行えます。
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