医療分野の可視化計測|医用工学における可視化事例

医療分野における可視化計測

医療現場の画像

医療・医用工学分野では、血流、飛沫・エアロゾル、衝撃波、嚥下動作、細胞培養時の流れなど、目視では把握しにくい現象を確認したい場面があります。可視化計測を用いることで、現象の動きや流れを映像として確認し、必要に応じて速度、変位、ひずみなどを数値化できます。

本ページでは、カトウ光研の可視化技術を用いた医療・医用工学分野での研究・評価事例を紹介します。

医療分野で可視化できる対象と主な技術

医療分野の可視化では、観察したい対象によって使用する技術が異なります。血流や培地流動を定量化する場合はPIV、飛沫やエアロゾルを確認する場合は微粒子可視化、衝撃波や密度変化を観察する場合はシュリーレン法、筋肉や動作の変化を評価する場合はDICや運動解析を使用します。

可視化したい対象

主な技術

確認できること

関連製品・技術

血流・装置内流動

PIV

速度分布、流れの偏り、滞留

PIVシステム、Flow Expert2D2C

飛沫・エアロゾル・ミスト

微粒子可視化

飛散方向、拡散範囲、吸引効果

Apex series

衝撃波・密度変化

シュリーレン法

衝撃波の伝播、密度変化

システムシュリーレンSS series
嚥下・動作 運動解析 舌骨や食塊の動き、移動量 Motion V
筋肉・組織の変形 DIC 変位、ひずみ、動きの変化 DIC Dipp-Strain
細胞培養・バイオリアクター PIV 攪拌流、滞留、速度ベクトル PIVシステム

医療分野の可視化事例

医療・医用工学分野では、観察したい対象によって適した可視化技術が異なります。ここでは、血流や装置内流動、飛沫・エアロゾル、衝撃波、嚥下動作、筋肉のひずみなど、目的別に可視化事例を紹介します。

使用した主な構成

本動画では、観察対象に応じて、PIV、シュリーレン法、微粒子可視化、DIC、運動解析などの可視化技術を使用しています。

流れ・血流を可視化する事例

血流や医療機器内の流れは、目視だけでは分布や滞留を把握しにくい対象です。PIVを用いることで、模擬血管、カテーテル、エアトラップチャンバー、培地流動などの流れを非接触で可視化し、速度分布や滞留を定量的に確認できます。

マウス血管での赤血球動態の流れを計測

使用した主な構成

撮影協力:自治医科大学 分子病態研究部 西村 智 先生
マウス血管内の赤血球画像から、PIVを用いて流れを計測した事例です。血管内の速度分布や流れの変化を可視化・定量化できます。

人工透析の血液の流れ

撮影協力:桐蔭横浜大学 医用工学部 臨床工学科 佐藤 敏夫 先生 山内 忍 先生
2種類のカテーテルで血流を再現した流体をPIVで解析した事例です。模擬血管内の流れを可視化し、カテーテル形状による血流の違いを比較できます。

エアトラップチャンバー内の流動をPIV計測

撮影協力:桐蔭横浜大学 医用工学部 臨床工学科 佐藤 敏夫 先生 山内 忍 先生
人工透析回路内のエアトラップチャンバーを対象に、流れの状態をPIVで計測した事例です。チャンバー内の滞留や流動状態を確認し、形状検討に活用できます。

細胞培養時の攪拌性能評価

使用した主な構成

細胞培養時の培地流動をPIVで計測した事例です。槽内の流れ、滞留、速度ベクトルを確認することで、培地流動や攪拌性能の評価に活用できます。

血流・装置内流動を可視化したい方へ
PIVでは、模擬血管や医療機器内の流れを非接触で可視化し、速度分布や滞留を評価できます。血流、カテーテル、培地流動などの可視化・定量化を検討している方は、関連製品・カタログをご覧ください。

PIVシステムのカタログを見る
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飛沫・エアロゾル・ミストを可視化する事例

飛沫やエアロゾル、ミストは、発生直後の飛散方向や拡散範囲を目視で把握しにくい現象です。微粒子可視化技術を用いることで、飛散の様子や吸引・遮蔽条件による違いを視覚的に確認できます。

経口内視鏡検査時のエアロゾル挙動の可視化

使用した主な構成

  • 微粒子可視化システム

※現在は後継シリーズとして、微粒子可視化システムApex seriesをご案内しています。

経口内視鏡検査時に発生するエアロゾルの挙動を可視化した事例です。アクリルボックスの有無による飛散状態を比較し、遮蔽条件によるエアロゾル挙動の違いを確認できます。
咳によって発生する飛沫を再現するため、飛沫発生器を用いて秒速10m(咳の速度)で水滴を飛ばしています。

飛沫感染防止のためのアクリルボックス

アクリルボックス

ボックス内で内視鏡検査を行う被験者

ボックス内で内視鏡検査を行う

嘔吐反射時の微粒子を可視化した画像

嘔吐反射時の微粒子を可視化

消化器内視鏡診療では、咳やくしゃみなどによって発生する飛沫・エアロゾルへの対策が重要になります。
カトウ光研では、エアロゾルの飛散方向や拡散範囲を可視化し、遮蔽・吸引条件による違いを確認する技術を提案しています。
目に見えにくいエアロゾルの挙動を見える化することで、作業環境評価や感染対策の検討に活用できます。

*A novel endoscopic shield: a barrier device to minimize virus transmission during endoscopy.*Ueyama H, Akazawa Y, Fujisawa T, Isayama H, Nagahara A. Endoscopy. 2022. 54(4):E129-E130. https://www.thieme-connect.de/products/ejournals/abstract/10.1055/a-1695-3080
*著者:順天堂大学 医学部 上山 浩也 先生*

歯科治療中のミストを可視化

使用した主な構成

  • 微粒子可視化システム

※現在は後継シリーズとして、微粒子可視化システムApex seriesをご案内しています。

撮影協力:藤田医科大学 医学部 歯科・口腔外科講座 小林 義和 先生 金 珉廷 先生
歯科治療中に発生するミストの飛散を可視化した事例です。バキュームの有無や吸引条件によって、ミストの飛散方向や吸引効果を確認できます。

歯科治療の環境の画像

歯科治療の環境

医療用マネキンとバキュームの画像

医療用マネキンとバキューム

1280_720_目的・用途別の可視化技術

飛散するミストを可視化

歯科治療中に発生するミストの飛散を可視化した事例です。エアータービンによる切削時には、水や切削片を含むミストが周囲へ飛散することがあります。飛散するミストを可視化することで、バキュームによる吸引効果や飛散方向の違いを視覚的に確認できます。

飛沫・エアロゾルの挙動を可視化したい方へ
微粒子可視化システムでは、飛沫やミストの飛散方向、拡散範囲、吸引・遮蔽条件による違いを視覚的に確認できます。

Apex seriesの製品情報を見る

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衝撃波・密度変化を可視化する事例

衝撃波や超音波による密度変化は、目視では確認できない現象です。シュリーレン法を用いることで、透明媒質中を伝わる衝撃波や密度変化を可視化できます。

がん治療薬剤へ伝播する衝撃波の可視化

使用した主な構成

撮影協力:東京大学 医用精密工学研究室 中川 桂一 先生
がん細胞破壊を目的とするPCND(phase change nano droplet)を気泡化させるための、衝撃波の伝播を可視化しています。実験では、薬剤(ドラッグデリバリーシステム:DDS)を用いたがん治療の検証を目的としています。

薬剤であるPCND(フェイズ・チェンジ・ナノドロップレット:音波感受性薬剤)へ衝撃波を伝播させ気泡化することで、がん細胞破壊を促進します。PCNDが気泡化するメカニズムを衝撃波の可視化によって検証します。

※動画のフルバージョンはこちらで公開しています。

衝撃波・密度変化を可視化したい方へ
シュリーレン法では、透明媒質中の密度変化や衝撃波の伝播を可視化できます。超音波、衝撃波、気流、熱対流などの観察を検討している方は、関連製品・カタログをご覧ください。

システムシュリーレンのカタログを見る
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動き・ひずみを可視化する事例

医療画像やX線動画、エコー画像に対して画像解析を行うことで、動きやひずみを定量化できます。嚥下動作、筋肉の変形、組織の動きなどを数値として評価することで、観察だけでは分かりにくい変化を把握しやすくなります。

嚥下造影検査(VF)X線画像での運動解析

使用した主な構成

嚥下造影検査で取得されたX線動画を用い、嚥下時の動きを運動解析した事例です。
画像上の特徴点を追跡することで、目視では捉えにくい動きの変化を数値として確認できます。

舌骨のイメージ画像
嚥下の運動解析の画像

舌骨は嚥下運動に関わる重要な部位であり、加齢や個人差によって動きに違いが見られる場合があります。運動解析ソフトを用いることで、舌骨の移動量や速度、食塊の動きを可視化・定量化し、嚥下動態の評価に活用できます。

エコー検査による筋肉のひずみを計測

撮影協力:東海大学 工学部 医工学科 菊川 久夫 先生
エコー検査画像にDICを適用し、手首の筋肉のひずみを計測した事例です。手の開閉動作中の筋肉の変化を捉え、筋肉の変位やひずみを可視化・定量化できます。

手首のエコー検査の画像

手首のエコー検査画像

エコー画像からDICでひずみを算出

エコー画像からDICで算出した筋肉のひずみ

手の動きに伴う筋肉の変形を、デジタル画像相関法(DIC)によって画像上で追跡し、筋肉の変位やひずみを可視化・定量化しています。目視だけでは把握しにくい筋肉の動きを、数値情報として確認できます。

動作やひずみを画像から定量化したい方へ
運動解析やDICを用いることで、X線動画やエコー画像から特徴点の動き、変位、ひずみを算出できます。嚥下動作や筋肉の変形評価に関心のある方は、関連製品をご覧ください。

DICソフトウェアを見る
運動解析ソフトウェアを見る

医療分野の可視化に使用する主な製品

医療・医用工学分野の可視化では、観察対象に応じて使用する技術が異なります。血流や培地流動を定量化する場合はPIV、飛沫やエアロゾルを確認する場合は微粒子可視化、衝撃波や密度変化を観察する場合はシュリーレン法、筋肉や動作の変化を評価する場合はDICや運動解析を使用します。

PIVシステム

PIVシステム2D2C_製品画像

流れ場の画像から速度ベクトルを算出し、血流モデルや医療機器内の流れ、培地流動などを可視化・定量化します。

製品ページを見る
PIVシステムのカタログを見る

微粒子可視化システム Apex series

微粒子可視化システムApex_ルミネッセンス光源

飛沫、エアロゾル、ミストなどの微粒子の飛散方向や拡散範囲を可視化します。

製品ページを見る
Apex seriesのカタログを見る

システムシュリーレン SS series

システムシュリーレン_製品画像

衝撃波、超音波、熱対流など、透明媒質中の密度変化を可視化します。

製品ページを見る
システムシュリーレンのカタログを見る

DIC Dipp-Strain

Dipp-Strain_製品画像

画像から変位・ひずみを算出し、筋肉や組織、材料の変形を定量化します。

製品ページを見る
DICソフトウェアのカタログを見る

運動解析ソフトMotion V

Motion_V_ノートPCの製品画像

X線動画や実験動画から特徴点の移動量や速度を算出し、嚥下動作や運動の解析に活用できます。

製品ページを見る

※対象とする現象や撮影環境によって、必要な撮影方法・照明・解析ソフトは異なります。詳細な構成を確認したい場合は、お気軽にご相談ください。

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血流、飛沫・エアロゾル、衝撃波、嚥下動作、細胞培養時の流れなど、医療・医用工学分野で可視化したい対象によって適した計測方法は異なります。

PIV、シュリーレン法、微粒子可視化、DIC、運動解析など、目的に応じた可視化計測の構成をご提案します。

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