3DPTVソフト 「Flow Expert3DPTV」は、流れの複雑な動きを全方位で捉え、流体を3次元で計測できます。壁面近傍やせん断の大きい複雑な流れも、細部まで計測し速度の3成分を算出します。自動粒子抽出機能と「ボリュームセルフキャリブレーション」による計測誤差の最小化により、高精度な3次元計測が可能となります。従来は困難であった3DPTVの技術を、より効率的にするソフトウェアです。
3DPTVは、レーザーシート面上の測定とは違い、測定領域にボリュームがあります。流れ場にシーディングしたトレーサー粒子を追跡して、複雑な流体構造を3次元で計測することができます。流体の速度ベクトルを算出して、3D表示で視点を変更しながら確認することができ、計測データはCSVで出力可能です。
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使用機材
”飛沫を定量化”
くしゃみの際に飛散する飛沫を3次元PTVで計測した事例です。ハイスピードカメラ3台と高輝度LED光源を使用して計測しています。
※関連記事:飛沫・エアロゾルの可視化とは【技術コラム】
粒子画像
探査範囲(推定移動範囲)
※点線丸枠
PTV(粒子追跡法)では個々の粒子を追跡して速度ベクトルを算出します。速度勾配の大きい、壁面近傍に対しても精密に計測ができます。
粒子移動先の判定に探査範囲(推定移動範囲)を設定し、粒子移動量を求めます。探査範囲内に複数の粒子が存在する場合には、ベクトルを算出しません。
Flow Expert3DPTVでは、粒子の移動先を求めるために「粒子マスク法」を使用しています。「粒子マスク法」とは、理想的な粒子像のテンプレートを用意して、濃淡画像(粒子の濃淡)における輝度値のピーク位置を探して移動先を特定します。
※左図では、理想的な粒子像の濃淡(輝度分布)から相関係数を求め、ピーク値を探していきます。
3DPTVの計測手順をCG映像で紹介します。ノズルからの噴流を計測対象と仮定して、ハイスピードカメラ3台とLED光源を使用した事例としています。計測対象となる画像を撮影して、速度ベクトル算出までの手順を紹介いたします。
ノズルから吐出される粒子の噴流を、高輝度LED光源を照射して可視化します。
3台のカメラを配置
カメラの視線
測定対象を囲むようにカメラを配置して、同エリアを撮影します。カメラは同期させて、同じ時間軸で撮影をしていきます。
キャリブレーションプレート(校正板)を使用して、カメラ3台の校正を行います。プレートを測りたい場所に配置して、カメラ3台でそれぞれ撮影します。
Z軸方向へトラバースさせ、手前と奥の2面でプレートを撮影することで、画像座標と空間座標の関連付けができます。
カメラ3台それぞれの視点から粒子を撮影。
撮影した画像をソフトウェアにインポートして計測を行います。
速度ベクトルと軌跡を表示
上からの視点
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3DPTVを行うために等間隔にドットを刻印した専用のキャリブレーションプレート(校正板)を使用します。
複数のカメラでキャリブレーションプレートを撮影して、空間と画像を関連付け行います。流れ場の3次元空間の位置情報をカメラに投影することで、正確な粒子移動量を算出することができます。
3DPTVでは、手前と奥の2断面でキャリブレーションが必要です。キャリブレーションプレート用治具は、プレートを固定して奥行方向へトラバースできます。奥行方向Z成分を管理して、キャリブレーションプレート2断面の撮影がズレ無く行えます。
1
計測する画像とキャリブレーション用の画像を読み込み、カメラごとに整理して確認します。※計測対象の画像、キャリブレーション画像、カメラをソフトウェア上で関連付けます。
2
キャリブレーションプレートの原点とX,Y方向のマーカーをクリックすることで、ドット配置のすべてのマーカーを自動検出します。完了するとソフトウェア上で、カメラ配置を確認することができます。
3
キャリブレーションが完了すると、粒子検出(Find Particle)が有効になり、粒子の検出を行います。
4
複数のカメラで捉えた粒子を、各カメラ映像をもとに対応付けます。これにより、粒子の各時刻での3次元位置を算出します。
5
数値化された粒子の3次元座標群を時間軸方向に接続。時刻間の移動量を求めます。
※粒子の移動量と時間軸から速度ベクトルを算出します。
6
ベクトルの3Dアニメーション表示、グラフ作成、CSV出力が行えます。
計測対象空間 | 立体(3次元) |
---|---|
検出ベクトル成分 | 3成分(X, Y, Z) |
計測手法 | PTV(Particle Tracking Velocimetry, 粒子追跡法) |
カメラ台数 | 2台以上(3台以上推奨) |
キャリブレーション | キャリブレーションプレートを指定量移動 |
対応画像フォーマット | 動画:AVI, WMV 静止画:JPEG, BMP, TIFF, PNG |
出力形式 | 動画:AVI, WMV(ベクトルアニメーション) 静止画:JPEG, BMP, TIFF, PNG CSV形式(数値データ) |
出力数値 | 平均流速 |
対応OS | Windows10(64bit) |
メモリ | 4GB以上推奨 |
ストレージ | 空き容量10GB以上 |
ディスプレイ | SXGA以上の解像度 |
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