
システムシュリーレンSS seriesは、光軸調整の大幅な簡素化により、これまで手間が掛かっていたシュリーレン撮影が手軽に行えます。Wパス方式(観測空間に2回平行光が通過)によって微細な現象も高いレベルで可視化を実現します。コンパクトな筐体で省スペース設置が可能な点も魅力の一つ。スライド式光学系により観測空間の調整が自由自在で、研究に応じた最適な設定ができます。

溶接シールドガス

水中超音波(300kHz)

高圧エアノズルの噴流

シリンダー内の燃焼波

ラバールノズルからの超音速流れ(衝撃波)

プラズマアクチュエータ
撮影協力:
東洋大学 理工学部機械工学科 航空宇宙システム研究室 藤松 信義 先生
超音速流中における航空機・宇宙機モデルまわりの流れの可視化画像です。
大気吸込式超音速風洞装置を製作して、設計マッハ数2.0、断面40mmx40mmの流路内に航空機モデルを設置。モデルまわりに発生する流れ場を可視化しました。
半頂角15°のくさびまわりに発生した衝撃波角度から、設計マッハ数通りに超音速風洞装置が作動していることがわかります。また、スペースプレーンやMiG-29のような複雑なモデルまわりに発生する衝撃波や膨張波も、鮮明に捉えることができています。




圧縮性流体とは、圧力や温度変化によって密度が大きく変化する流体を指します。代表例は、超音速気流や爆発・燃焼に伴う衝撃波です。
シュリーレン法は、この密度変化による屈折率差を可視化できるため、圧縮性流体の観察に最も有効な手法のひとつです。風洞内の衝撃波構造や膨張波の挙動、爆風の時間発展を捉えることができます。

超音波は、人間の耳には聞こえない高周波の音波で、媒質中を伝わる際に圧力や密度の微小な変動を伴います。シュリーレン法は、この変動による屈折率のわずかな差を光学的に検出できるため、音場の伝播や干渉、集束の様子を可視化するのに有効です。
特に、集束超音波やキャビテーションの発生領域、超音波振動子まわりの音圧分布などを観察する研究で多く用いられています。ハイスピード撮影と組み合わせることで、音波の伝播過程を時間分解的に追うことも可能です。

燃焼や爆発は、化学反応によって温度・圧力・密度が急激に変化する典型的な現象です。シュリーレン法はこれらの密度勾配を光学的に検出できるため、炎の構造や衝撃波の発生、燃焼ガスの流動挙動を非接触で観察するのに適しています。
ハイスピードカメラと組み合わせることで、着火から爆発までの瞬間的な現象を時系列で可視化することができます。
エンジン燃焼、爆薬反応、火炎伝播の研究など、エネルギー変換プロセスの理解や安全設計に幅広く応用されています。

ガラス内部には、溶融や成形の過程で生じる屈折率のわずかな不均一(脈理)が発生することがあります。これらは光の通過経路を乱し、光学製品や精密部品では性能低下や像の歪みの原因となります。
シュリーレン法は、ガラス内部の屈折率分布を可視化できる数少ない非接触手法です。透過光のわずかな方向変化を検出することで、肉眼では見えない脈理・気泡・異物などの欠陥を高感度に抽出します。
使用製品
撮影協力:横浜国立大学 空気力学研究室 北村 圭一 先生 福嶋 岳 特任研究員
超音速流れ中に置かれたオブジェクト周りの衝撃波をシュリーレン法で可視化しています。オブジェクトは直径14mm 半長角15°の円錐型模型。主流マッハ数1.8の流れで発生する衝撃波をシュリーレン法で可視化し、ハイスピードカメラで撮影した映像です。撮影した映像から画像解析でマッハ角を算出しマッハ数の推計まで行った事例となります。
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使用製品
撮影協力:豊田工業高等専門学校 機械工学科 小谷 明 先生
超音速で伝播する衝撃波をシュリーレン法で可視化しました。衝撃波管で発生させた衝撃波をオブジェクトに衝突させ、反射する様子をシュリーレン法で捉えています。
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使用製品
次世代エネルギーとして注目される「水素」をシュリーレン法で可視化した事例を紹介いたします。ノズルから放出される水素の”密度差”をシュリーレン現象として捉えています。
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モデル | 観測有効径 | 本体サイズ(W×D×H) | 観測時の長さ(W) | 光源 | 重量 ※電源除く |
|---|---|---|---|---|---|
SS50Ⅲ-L5C | φ48mm | 455mm×205mm×292mm | 585mm | LED(5W) | 約7kg |
SS100 | φ100mm | 585mm×299mm×421mm | 860mm | キセノン(75W) | 約21kg |
SS100 - 300W | φ100mm | 590mm×300mm×421mm | 855mm | キセノン(300W) | 約23kg |
| SS100Ⅲ-L5C | φ100mm | 578mm×300mm×421mm | 851mm | LED(5W) | 約20kg |
| SS150 | φ150mm | 720mm×405mm×476mm | 1080mm | キセノン75W or LED5W | 約40kg |
| SS200 | φ200mm | 935mm×490mm×520mm | 1290mm | キセノン75W or LED5W | 約68kg |
※本体サイズは予告なく変更する場合がございますのでご了承ください。
※キセノン、LEDの交換ランプも取り扱っております。お気軽にお問い合わせください。

ミラースタンド
対象物が有効観測範囲に収まらない場合、ミラースタンドが有効です。反射ミラーを取り外し、ミラースタンドへ取り付けて設置することで、自由に観測空間を拡張できます。

拡大光学系
ノズルからの噴流可視化に最適な光学オプションです。観測空間を現象に合わせて拡大して撮影ができるので、局所的な流れや微細な構造を詳細に把握できます。

撮像部(ハイスピードカメラ・高感度カメラ)
現象に応じてハイスピードカメラや高解像度カメラを選択いただけます。「高速現象における対象物の形状変化を正確に把握する」、「微細な構造を観測して検証する」などカメラスペックの最適なご提案をいたします。

システムシュリーレンSS100全体

外形寸法

φ100mm:観測有効径


システムシュリーレンSS100では観測エリアへ対象物を配置(またはかざす)して観測します。図の例では、エアノズルから音速で流れる空気を可視化しています。ノズルから音速で流れる空気の衝撃波(ショックダイヤモンド)が観測できます。

反射ミラーを取り外して三脚に設置したイメージ

超音速風洞の窓越しに反射ミラーを設置したイメージ
反射ミラーを取り外して三脚に固定することで、観測エリアを拡張できます。可視化したい対象が大きい場合や装置の観測窓越しなど、観測エリアを拡張して撮影することができます。
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空気中の超音波を可視化
左:シュリーレン法のみ 右:シュリーレン画像にSS Viewerを使用
SS Viewerによる画像処理の映像では、粗密波である音波の様子も可視化
新次元の”見える化”を叶える
シュリーレン用画像処理ソフトウェア「SS Viewer」
これまで見えなかった微細な密度勾配を、シュリーレン現象にカスタマイズされた画像処理で見える化。
複雑な設定や操作は不要で、手軽に使用できます。通常のシュリーレン撮影だけでは捉えられなかった現象を明らかにします。見えなかった世界を見える化する新たな画像処理ソフトウェアです。
追従する弱い衝撃波の伝播まで捉える
オブジェクトを配置して、斜め衝撃波が伝播する様子をシュリーレン法で可視化した映像です。高速で伝播していく衝撃波を、ハイスピードカメラで撮影し、「SS Viewer」で画像処理を行いました。
通常のシュリーレン映像では捉えきれない ”弱い衝撃波”が追従して伝播していく様子までわかります。
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ガラスは、その透明性や硬さ、化学的安定性などの特性から、日常生活から産業分野まで欠かせない物質です。しかし、ガラス製品の製造過程や取り扱いにおいて、さまざまな品質不良が発生することがあります。これらの品質不良は、ガラスの性能や外観、そして安全性に影響を及ぼす可能性があります...「ガラス脈理検査(ガラスの品質不良について)続きを読む
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