撮影協力:慶應義塾大学 理工学部 応用化学科 藤岡 沙都子 先生 岡屋 様
本動画では、シリコンオイルとグリセリンによる液液スラグ流の内部混合挙動を、PIV(粒子画像流速測定法)とDIC(デジタル画像相関法)を用いて解析した実験をご紹介します。スラグ内部で生じる複雑な流れ・変形・混合を“定量的に”把握することで、バイオ・医薬・化学における適用可能プロセスが広がります。
【実験の目的】
液液スラグ流を活用したプロセスを設計するため、スラグ(液滴)内部の混合状態を可視化・定量解析し、混合効率の最適化につなげることを目的としています。
【実験条件】
媒質1:シリコンオイル 10cSt
・流量:75 mL/h(シリンジポンプ)
媒質2:グリセリン 60 wt%
・流量:25 mL/h(シリンジポンプ)
流路構成
・市販T字継手で合流
・撮影部は PFAチューブ(内径φ2 mm)
【可視化・解析手法】
●PIV(粒子画像流速測定法)
スラグ内部の速度場を計測し、流入位置・壁面近傍のせん断・内部循環構造などを評価。
●DIC(デジタル画像相関法)
有限変形を評価できる「アルマンジひずみ(Euler–Almansi strain)」を算出しています。
アルマンジひずみは本来、固体の大変形解析で使用される指標ですが、流体中の変形・伸長・界面変形を評価する用途にも適用例 があり、スラグ内部の濃度・輝度分布から混合の進行度や局所変形を捉える解析に有効です。
スラグ内部の濃度分布や輝度変化を追跡することで、
・混合の進行度
・局所的な伸長
・界面の変形構造
を定量的に評価しました。
特に、内部の伸びやすい領域、変形が集中的に発生するポイントが視覚的に捉えられ、混合メカニズムの理解が大きく前進しています。