
クリーンルームや製造工程では、パーティクルカウンターによる粒子数の管理が広く行われています。空気中の粒子数や粒径別の傾向を数値で確認できるため、環境管理や異常傾向の把握に有効な手段です。
一方で、異物不良や発塵対策の現場では、粒子数の増減だけでは判断しにくい場面があります。たとえば、粒子がどこで発生したのか、どの方向へ移動したのか、製品やワーク周辺へどのように到達したのかまでは、数値だけでは把握しにくい場合があります。
微粒子可視化は、粒子の発生・移動・堆積・再飛散を映像として確認することで、数値管理だけでは見えにくい現場の状態を把握するための方法です。本記事では、パーティクルカウンターで分かること、数値だけでは分かりにくいこと、微粒子可視化を組み合わせることで確認できることを整理します。
パーティクルカウンターは、空気中に存在する粒子を検出し、粒子数を数値として把握するための測定機器です。
クリーンルームや製造工程では、環境の清浄度を確認したり、管理基準との比較を行ったりする目的で使用されます。
主に、次のような確認に向いています。
たとえば、ある測定位置で粒子数が増えた場合、パーティクルカウンターによって「いつ」「どの程度」粒子数が増えたのかを確認できます。
このように、パーティクルカウンターは、粒子数を管理するための重要な手段です。
一方で、パーティクルカウンターで分かるのは、基本的には測定位置における粒子数の変化です。
粒子がどこで発生し、どのような経路で移動し、どこに到達したのかまでは、数値だけでは判断しにくい場合があります。
そのため、粒子数の管理に加えて、発塵源や移動経路を確認したい場合には、粒子の動きを映像で確認する微粒子可視化が有効です。

パーティクルカウンターで粒子数の増減を確認できても、現場で起きている現象をすべて把握できるとは限りません。異物対策や発塵対策では、粒子数だけでなく、粒子が発生してから製品や設備に到達するまでの流れを確認することが重要です。
粒子数が増えた場合でも、発塵源がどこにあるのかは数値だけでは分かりにくいことがあります。
発塵源は、装置の可動部、搬送動作、作業者の動き、資材の開封、清掃作業など、さまざまな場所やタイミングに存在します。測定位置で粒子数が増えていても、実際の発生源がその近くにあるとは限りません。
粒子は、空気の流れに乗って移動します。そのため、発生した場所から離れた位置まで運ばれたり、思わぬ経路で製品やワークの周辺に到達したりすることがあります。
つまり、測定位置で粒子数が増えていても、発生源と付着場所が離れている場合があります。このような場合、粒子の移動方向や広がり方を確認することが、対策箇所を検討するうえで重要になります。
清掃、設備改修、気流調整、作業手順の変更などを行った後は、対策によって何が変わったのかを確認する必要があります。パーティクルカウンターでは、粒子数の変化を数値で比較できます。
一方で、粒子の広がり方、移動方向、堆積状態、再飛散の様子がどう変わったかは、数値だけでは説明しにくい場合があります。そのため、異物対策では、粒子数の変化に加えて、映像で変化を確認できることが重要になります。

微粒子可視化では、空気中の粒子や表面に存在する粒子を光で捉え、肉眼では分かりにくい粒子の動きを映像として確認します。これにより、パーティクルカウンターの数値だけでは把握しにくい現象を確認しやすくなります。
装置の稼働、搬送動作、作業者の動き、資材の開封、清掃作業などに伴って、粒子が発生する様子を確認できます。
どの動作の直後に粒子が発生するのか、どの装置周辺で粒子が舞い上がるのかを映像で確認することで、どの動作やタイミングで粒子が発生しているのかを把握しやすくなります。
発生した粒子は、その場に留まるとは限りません。
気流に乗って移動し、離れた位置にある製品やワークの周辺へ到達する場合があります。
微粒子可視化では、粒子がどの方向へ流れ、どの範囲へ広がるのかを映像として確認できます。これにより、対策すべき場所を絞り込むための判断材料として活用できます。
異物不良では、空気中に浮遊している粒子だけでなく、設備や床面、ワーク周辺に堆積した粒子が問題になる場合があります。
堆積した粒子は、作業者の動き、清掃作業、装置の振動、気流の変化などによって再び舞い上がることがあります。
微粒子可視化を用いることで、堆積粒子の存在や再飛散の様子を確認しやすくなります。
清掃前後、設備改修前後、気流調整前後、作業手順変更前後などを比較することで、対策によって粒子の見え方がどう変わったのかを確認できます。
粒子数の変化だけでなく、粒子の発生量、移動経路、広がり方、付着しやすい場所の変化を映像で比較できるため、対策前後の見え方の違いを説明しやすくなります。
パーティクルカウンターと微粒子可視化は、どちらか一方を選ぶものではありません。
それぞれ得意な役割が異なります。
確認したいこと | パーティクルカウンター | 微粒子可視化 |
|---|---|---|
粒子数の把握 | 得意 | 参考・補助的 |
粒径別の数値管理 | 得意 | 条件により参考情報 |
管理基準との比較 | 得意 | 補助的 |
| 発塵源の確認 | 分かりにくい | 確認しやすい |
| 粒子の移動方向 | 分かりにくい | 映像で確認しやすい |
| 堆積・再飛散 | 分かりにくい | 状況を確認しやすい |
| 対策前後の変化 | 数値で比較 | 映像で比較 |
パーティクルカウンターは粒子数の管理に有効です。
清浄度の確認、管理基準との比較、粒子数の時間変化の把握などに向いています。
一方で、微粒子可視化は発塵源や移動経路の確認に有効です。
粒子がどこで発生し、どの方向へ流れ、どこに到達・堆積しているのかを映像で確認しやすくなります。
微粒子可視化は、パーティクルカウンターの代替ではありません。
数値管理では把握しにくい現象を補完する手段として活用することで、異物対策や発塵対策の検討を進めやすくなります。
微粒子可視化は、粒子数だけでは現場の状態を判断しにくい工程で活用できます。特に、発塵源の確認、粒子の移動経路の確認、対策前後の比較が必要な現場で有効です。

対策前

対策後
異物対策や発塵対策では、対策後に何が変わったのかを確認することが重要です。
パーティクルカウンターでは、粒子数の変化を数値で確認できます。
一方で、粒子の発生場所、移動方向、広がり方、堆積・再飛散の状態がどう変わったかは、数値だけでは説明しにくい場合があります。
微粒子可視化を用いると、清掃前後、設備改修前後、作業手順変更前後、気流調整前後などを映像で比較できます。
たとえば、対策前には作業者の動作に合わせて粒子が舞い上がっていたものが、対策後には発生量が少なくなったり、粒子の流れる方向が変わったりする場合があります。
このような変化を映像として残すことで、現場内での共有や、対策内容の説明に活用しやすくなります。
異物対策では、粒子数の増減だけでなく、対策前後の変化を見える形で残すことが重要です。
| 確認項目 | 対策前 | 対策後 |
| 発塵のタイミング | 作業や装置動作に合わせて粒子が発生 | 発生するタイミングが減少・変化 |
| 粒子の広がり方 | 製品・ワーク周辺まで広がる | 到達範囲が狭くなる、または流れが変わる |
| 堆積・付着 | 表面や周辺部に粒子が残る | 堆積しやすい場所の変化を確認 |
| 再飛散 | 作業動作や気流で再び舞い上がる | 再飛散の起き方を比較 |

画像処理

リアルタイム粒子カウント
微粒子可視化システム Apex series は、空気中に浮遊する微粒子や、設備・床面・ワーク表面などに堆積した粒子を可視化するためのシステムです。
発塵源の確認、粒子の移動方向、堆積・再飛散、対策前後の変化把握などに活用できます。
Apex softwareでは、粒子の映像確認に加えて、リアルタイム粒子カウントやグラフ表示にも対応しています。
これにより、映像で見える粒子の変化と、粒子数の変化を合わせて確認できます。
また、使用環境や対象粒子サイズに応じて、AP-GR、AP-Yellow、AP-LRの3モデルから選定できます。
Apex seriesは、パーティクルカウンターによる数値管理では把握しにくい、粒子の発生・移動・堆積・再飛散の確認を支援します。
パーティクルカウンターは、粒子数の管理やクリーンルームの環境管理に有効な手段です。
管理基準との比較や、粒子数の時間変化を把握するうえで重要な役割を持っています。
一方で、発塵源、粒子の移動経路、堆積・再飛散、対策前後の変化は、数値だけでは分かりにくい場合があります。
微粒子可視化を組み合わせることで、現場で起きている粒子の発生・移動・付着を映像として確認しやすくなります。
パーティクルカウンターによる数値管理と、微粒子可視化による映像確認を併用することで、異物対策や発塵対策の検討を進めやすくなります。
異物の原因を考えるうえでは、粒子数だけでなく、粒子がどこで発生し、どのように移動し、どこに到達しているのかを確認することが重要です。
数値管理と映像による確認を組み合わせることで、現場で起きている粒子の状態をより具体的に把握しやすくなります。
微粒子可視化システム Apex seriesは、微粒子の発生・移動・堆積・再飛散を可視化し、対策前後の変化把握を支援します。自社工程でどのように活用できるか、使用環境や対象粒子に合わせてご相談いただけます。